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2017年11月30日
木造賃貸アパート(モクチン)は戦後大量に建てられたが、今老朽化と空き家化が著しい。
建築系スタートアップ・モクチン企画はその再生をミッションに、シンプルな改修アイデア・モクチンレシピを家主や不動産業者に提供する。
街から孤立した無数のモクチンを変えることで豊かな生活環境、都市と人のつながりをとり戻す試み。
[目次]
PART 1 木賃アパートを通して見える社会?1. この社会がつくった建築、木賃アパート
2. 木賃アパートというリスク、そして可能性
【モクチン採集に行こう! 】
PART 2 モクチンメソッド?1. アイディアを共有資源化する
2. アイディアを育てるコミュニティ
3. レシピのレシピ──アイディアがレシピ化されるフロー
4. メディアとしてのモクチンレシピ
5.「実装」のためのチームのかたち
6. アパート改修を社会投資へ
【モクチンレシピによる改修事例】
PART 3 木賃アパートをアップグレードする?CASE 1:部屋単位の改修
CASE 2:外構の改修
CASE 3:アパートまるまる一棟の改修
CASE 4:木造一戸建ての改修
【モクチンレシピ式発想法】
PART 4 つながりを育むまちへ?1. 住み続けられるまち ──地域善隣事業
2. まちのアクティビティと連動する場──kubomi
3. まちに新しい動線をつくる──カマタ_クーチ
PART 5 モクチンメソッドの射程:都市を編集する?1. つながりが生み出す都市の冗長性
2. タイポロジーの生態系
この本は久々に会心の一撃かと思う内容でした。
私たち満室計画の普段の改修工事は、RC造のマンションがほとんどです。だからこそ、モクチンアパートの全体の改修工事のアイデアや基本コンセプトが学べる良書だと思います。
築古のモクチンアパートはどうしても潰して更地に戻して新築。と考えがちですが、と言うか、不動産界隈の人って皆さんそう思っていると思います。
でもそれだけじゃなく、これからの時代にあった、ヨーロッパのようで日本風味の良いリノベーションのコンセプトだと思います。
ヨーロッパには100年続くアパートがゴロゴロあります。建物だけじゃなく街そのものが情緒に溢れています。私個人はアメリカよりヨーロッパの街並みや建物が好きなので非常に可能性を見出せた書籍だなと。
出来れば何か教えて乞いて学び、実践出来ればうれしいです。